~前回のあらすじ~
ほぼ無計画でキャンプに行ったオタク一同。無計画のためクソ狭い道の存在を知らず、みんなで誘導をしてなんとか通り抜けました。
無計画のためテントを張ることもままならず、
夜中になると暗くなるという無計画を越したポカをしましたが、気合でなんとかなりました。
始まります。
さて、夜中の一時半に眠りについた僕たちですが、僕は予想以上の寒さに何度も何度も起きてしまいました。
「これ死ぬんじゃねえの・・・」
起きて、トイレに行って、テントに戻って震えて眠ることを4回ほど繰り返したあたりでしょうか、次に起きたとき意識があったのは僕一人ではありませんでした。
「おはよ」
「・・・おう」
いつになくテンションが低いヒュウガ。手元を見ると、手がガクガクと震えていました。
「車行こうぜ・・・」
どうやら彼も寒さに負けて目覚めたらしいのですが、定期的に起きていた僕と違いずっと寝ていたため死にそうになっていました。
「死にそう」
「死ぬよねー」
朝から物騒な会話をしていたところ他のメンツも起きだしたため、今後の話をすることにしました。
「どうするよこのあと」
「チャッカマン安物買っちゃったからもうオイルがないんだよな」
「あっねえ見て!しぶりんSSR出た!!!!」
「デレステやってんじゃねえ」
チェックアウトが11時までではあるのですが、飯をさっさと食べないと今後しんどくなるので、朝の5時半から片付けを開始しました。
「なんか結構片付いてない?」
「なぜなら僕たちが昨晩ちょっとだけ片付けたからです」
そう、昨晩寝落ちしていない人間はヒュウガの指示のもとちょっとだけ片付けを行ったのです。すぐ眠るには少し惜しかったのと、僕たちがすごいえらくてすごいからです。
「あ、昨日砂抜きした貝ってどうなったの」
買出しに行った際、僕たちはBBQで貝を焼くイメージが思いついたので貝を買ったのですが、砂抜きの時間がわからず朝まで放っておいたのです。
「砂出てなくない?」
「塩入れすぎたでしょこれ、死んでんじゃない?」
殺してしまいました。僕たちはグーグルがないと何もできないのです。
「・・・次に活かそう、とりあえず片付けはほとんど終わったしあとはテントだな・・・」
「???」
「???」
「???」
「テントかぁ・・・」
僕たちは気が付いていました。張るのにあれだけ時間がかかって、それでもちゃんと張れてないテントを片付けるのは到底無理なことだろうと。
「いやなんとかなるはず、こうやって丸まって入ってたから・・・」
「ハハハ、無理だろこれ」
「物理的に無理でしょこれ」
「管理人さんに頼もうぜ、素人がどうにかなるもんじゃない」
「しょうがないか・・・ってうわっ!ハチだ!!!」
「うわーっ!!!」
テントを上手くたためない僕たちに腹を立てたのでしょうか、突然ハチが襲撃してきました。
「どーーーすんだこれ」
「ブルーシートごと逃げるしかないな・・・」
「まあ逃げても無理なもんは無理なんですけども」
「・・・という訳で畳んでないままお借りしてたテントを返してもよろしいでしょうか」
「ああ、乾かすからいいよ」
「いいんだ」
さて、この辺でほぼ全ての片付けが終了し、そろそろ帰ろうと思ったところでミラクルが起こりました。
「あっHaLuKaお前あれ撮りなあれ」
「もう何もなくない?」
「違う!鳥!!」
帰る僕らにさよならを言いに来たのか、たぶんサギの一種が僕らのすぐ近くに降り立ってくれました。
被写体として鳥はまあまあ好きなので、自分では気がつかないうちに徐々に山側に進んでいってしまいました。さあ、ミラクルはここからです。
「ただいま~満足した~」
「お前今ズボンの裾からなんか出たぞ」
「あっこれヒルじゃん」
「え゛」
確かに足を見るとまあまあな量の血がずっと流れ続けていました。
キャンプに行くことを上司に話したときに、ヒルにだけは気をつけるよう言われていた僕だけが、ヒルにやられました。
入社前に住民票を忘れた時と同じほど焦ってしまい、流れる血を見ながら爆笑することしかできなかった僕の止血をしてくれたのはヒュウガでした。
「なんでそんな手際いいの・・・結婚して・・・」
「あっ動転してんなこいつ、もう出発するよ」
帰りも行き同様、いえてぃに狭い道の誘導をしてもらったのですが、いえてぃが降りてしばらくしてからドアに何かしらがぶつかる音がしてきました。
「あっまたハチだ」
「うわめっちゃ攻撃してきてる」
「いえてぃ早く車に入って、ハチが襲ってきてる」
「えっ」
そんなこんなでキャンプ場を出た僕らは丸亀製麺で腹ごしらえをしたあと銭湯に行き、僕は無事に傷が開いて血が出たので早々に風呂から出ました。
「銭湯入るとダメだわ俺、超眠い」
「おまえ3時間しか寝てないからな・・・」
そんな死にかけのヒュウガに家まで送ってもらったところで僕は離脱、家に帰るなり倒れるように寝込んでしまいました。
・・・はい、これで一泊二日のキャンプ記事は終了です、お疲れ様でした。
無計画ながら無計画なりの楽しさがあったこのキャンプは、多くの反省点と楽しい記憶を生み出してくれました。とりあえず、今後はランタンを持ってくることと、テントをたためるように努力をしようと思います。
ではまた。