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前回のあらすじ
気まぐれに旅館を出た僕たちオタク一同。偶然見つけた看板に惹かれて博物館に行きました。
化石の展示は圧巻の一言。太古の神秘に知能指数を揺さぶられました。
学校椅子に座り、数ヶ月前までの楽しかった日々を思い出してノスタルジックな気分になった僕たちは、心の隙間を埋めるように飯を求めて旅立ちました。
さて、僕たちは茨城県に到着しました。
と、いうのもヒュウガの現住所が茨城で、早めに帰らないと色々と問題があるらしいのです。なので茨城に行ったうえで時間ぎりぎりまで茨城で遊ぼう、という話になりました。なのでご飯も茨城県で食べることにしたのです。
「クチコミ班はよ」
「あった、手打ちラーメンのいまの家だって」
「ラーメン超良い~」
僕たちはオタクなので、ラーメンがとてもとても好きなのです。オタクなので。
調べたところ手打ち麺が美味しいあっさり醤油なラーメンだそうです。僕たちはどんどんとテンションが上がっていきました。
「ご注文は」
「支那そば3つとそれの大盛り4つで」
支那そばが魚介ベースのスープで、中華そばが鶏ベースのスープなのですが、僕たちは魚介が大好きなので満場一致で支那そばになりました。
「お待ちどう」
「あーめっちゃうまい」
「麺がうまい」
「スープもうまい」
満場一致で大満足でした。魚介ベースの支那そばも非常に美味しかったので、今度は鶏ベースの中華そばの方も食べてみたいです。
「まだまだ時間あるな」
「観光地の滝いく?」
「あーいいんじゃない?」
僕たちの次の目的地は、茨城県の大子町にある袋田の滝。昔からある観光地らしく、調べたらすぐ出てきました。
観光地あんま行かないし楽しみーとかアイマス最高、とか言いながら車をしばらく走らせていると、山道に入って行きました。
僕らは超綺麗じゃん、とか神秘的だ、とか映画アイマスじゃん(山の中を車で走るシーンがある)とかワイワイ騒いでいたのですが、何故か運転手のマノスだけが黙りこくっていました。
「どうしたの?」
「いや、ガソリン足りっかなと思って」
見るとガソリンの残量は一目盛り。僕たちは一気に青ざめました。なぜなら、この山道がかなり長く続くことをYahoo!ナビで見ているからです。
とはいえ景色はずっと綺麗なので、僕たちの精神はギリギリのところで保たれていました。
「あーマジやばいかも」
運転手の「マジヤバい」の発言は本当におっかなく、全員が非常に緊張していました。僕たちは一体、どうなるのか・・・!
「っぶねー・・・」
「マジギリギリだったな」
マジやばい発言の直後、山道から抜けた僕らはそこから300mほどの場所にあるガソリンスタンドでガソリンを入れることができました。
ずっと揺さぶられる山道のせいで膀胱もそれなりにヤバかった僕たちはトイレに代わる代わる行き、なんとか生きた心地を取り戻しました。
「ガソリン空っぽなのに膀胱パンッパンなの面白くない?」
「ゲラゲラ」
僕たちはガソリンが満タンになった車で、改めて袋田の滝に向かって車を走らせました。
「やー着いたね」
駐車場についた僕たちは袋田の滝に向かって歩き出しました。駐車場から滝への道はいろいろな出店があったのですが、そのうちの一つが僕たちの気を強く引きました。
「鮎じゃん」
「こういうとこの鮎すごい美味しいよね」
「すげーわかる、あとレンタカーの時間ギリギリだからここに居られるのあと10分ね」
「4本ください、走れ!!!!!」
僕たちはこの旅で口座をほとんどスッカラカンにしているので、これ以上の出費は本当に本当にまずいのです。あと時間は守りたい。
高速でチケットを買い、全力で微妙に上り坂になっているトンネルを走った僕たちは、滝へのエレベータの列に並びながら息を整えました。
「しんど・・・鮎うま・・・」
「スリッポンは走る靴じゃないんだよ・・・鮎うま・・・」
「久しぶりに走ったわ・・・鮎うま・・・」
「鮎超うまいな」
「なんでお前誰より速く走っといてそんな元気なんだよ・・・」
満身創痍の僕たちがエレベーターから降りると、そこは袋田の滝でした。
「いいなあこういうの」
「ごめんなここに居られるのあと1分くらいだわ」
「集合写真とります!!!集まって集まって!!!」
5秒で集合写真を撮った僕らは55秒で全身にマイナスイオンを浴び、最高スピードの速歩きで車へと向かいました。
「じゃあ、帰りますか」
・・・帰りの車内はそれなりにひどい有様でした。みんな帰りたくないうえに、ぞう作のアイマスCDは号泣必須な曲をたくさん盛り込んでいたのです。
僕らはとてもとても静かに目に涙を浮かべ、誰よりも早く帰らなければいけないヒュウガは普通に号泣していました。
「本当に、帰りたくないなあ・・・」
彼の心の叫びが外に漏れてしまいました。その思いは僕たちも同じです。しかし、帰るときは来てしまい、彼は僕たちより一足先に車を降りました。
「さみしくなったなあ」
僕ら、6人を乗せた車はレンタカー屋に向かいました。この辺の記憶が完全に抜けているので、多分寝ていたんだと思います。
本当にギリギリの時間でレンタカー屋についた僕たちは、2日間苦楽を共にしたVOXYから荷物を運び出し、マノスの軽自動車に積み込みました。
夕飯をまだ食べていないことから、僕たちはステーキガストに向かいました。荷物で1席がまるまる埋まってしまったので、僕含め3人は歩いて向かいました。
「そういや俺この旅に全力を注いだって言ったじゃん」
「口座に50円しかないし現状所持金が0だけど後悔はしていないわ」
「やば」
後日談ですが、その月は相当きつかったらしいです。
だらだらと飯を食った僕たちはとりあえず店を出て、2人が歩いて帰るというので4人でマノスの車に乗り、各々が家まで送ってもらいました。
「そういやさっき見たけど俺この旅で650キロ走ってたわ」
「お疲れさま・・・」
こうして家まで送ってもらえた僕らは、帰宅後すぐにベッドに倒れ込み明日に備えました。
・・・以上で、福島旅行ダイジェスト二日目は終了です。本当に長々とありがとうございました。
僕は、僕たちは、この旅を一生忘れません。
ではまた。