~前回のあらすじ~
ようやく旅館についたので今から草津へ行きます。
さて、草津へと出発した僕たち一同ですが、しばらくしてからどことなく雰囲気が変わったことに気がつき始めました。
「めっちゃ雪降ってない?」
雰囲気もクソも降雪でした。
「こえー」
僕らの住む千葉県、特に千葉市にはあまり雪が降らず、雪の中の運転などする機会がまずないのでいくらスタッドレスを履いていてもおっかないのです。
肝を冷やしたり、寝たりしていると2時間弱で草津につきました。僕は先ほどの会話以降ずっと寝ていたため何も記憶がありません。駐車場で目が覚めました。
「よっし湯畑見に行こうか」
僕らが草津で楽しみにしてたのは温泉…だけではなく湯畑の観光も楽しみにしていたのです。
湯畑とは木で出来た樋に源泉を流して、とてもそのままでは入れるレベルじゃない源泉の温度を下げたり、温泉の成分を取り出して湯の花を取ったりなどする設備です。
説明するとなんとも地味ですね。まあ、ご覧下さい。
画像クリックで僕のインスタグラムに飛べます、飛んで!
「うわーめっちゃ綺麗じゃん、ライティングされてるし」
「ロックフェスみたい」
高温の源泉から出る湯気とライティング、そして時期が時期なので雪も合わさり、それはそれは絶景でした。
なかなかこんな光景は見ることができません。家の近くに湯畑無いですもんね。しばらく湯畑を見て感心したり、写真を撮っていたりしていたところヒュウガが震え始めました。
「温泉そろそろ行かない?」
「なんでお前パーカーだけでここ来てんの?」
とはいえ皆そろそろ指先の感覚がなくなり始めてきました。隣の県だしそこまで気温も変わらないだろ、と全員が甘い考えを持っていたからです。
そんなわけで着いたのが公衆浴場の白旗の湯。僕の指がかじかんで写真は撮れなかったので、みなさんで検索をしたりしてください。とにかく僕らは白旗の湯に入りました。
よく温泉は湯の質が違う、触ったらすぐわかる、などと言いますよね。僕らも感じることができました。湯に触れてびっくり、めちゃくちゃ熱いのです。
「これ死んじゃうけど」
「アアッ」
これは僕らの知ってる風呂じゃない。僕は脱衣所に貼られた注意書きに「この温泉は源泉をほぼそのまま流しています」と書かれていたのを見て唖然としてしまいました。そりゃ熱いわけです。僕はかけ湯のみを、他のメンバーは一瞬だけ湯船に入ってから浴場から出ました。
「すげーかけ湯だけでこんなに温まるもんなのか」
「肌すべっすべだよ(湯は酸性)」
かけ湯やちょっと浸かっただけでも僕らは体の芯まで温まり満足したため、僕らは旅館に帰ることにしました。旅館の夕食は8時からなので、それに間に合うように帰らなければならないのです。先程までは寒い寒いと言っていた寒空の下、あったかいねーなどと言いながら駐車場まで歩きました。
車に乗り込んだ僕らは、アイスバーンと雪まみれの道路を通って旅館へと戻りました。飛ばすとみんな死ぬし、飛ばさなくても最悪死ぬよね、という会議のもとかなり遅めの運転をしていたところ、ヒュウガがどこかしらに電話をかけ始めました。
「はい、すいません夕食には間に合わないかもしれません…」
雪とアイスバーンのため夕食に遅れる、という旨の電話を旅館にしていました。8時で旅館の夕飯は終了してしまいますが、今は7時前。来るのに2時間弱かかったのにこれでは間に合いません。着いたらみんなで謝るか、という話をみんなでしていたところ車のスピードが急に上がりました。メーターを見ると60キロでした。
「間に合わせる、俺は電車でGO!をやりこんでダイヤ管理を覚えた人間だぞ」
路面を見ると雪も氷も全くなく、暖かいエリアに突入したようです。これなら車をちゃんとしたスピードで走らせることができます。電車でGO!理論も心強く、頑張ればなんとかなるかもしれない、そう皆が思いだしました。
僕らは夕食の時間までに旅館にたどり着けるのか、そして驚愕の夕食の内容とは…?後編に続きます。