HaLuKaの日記

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いろいろキツイ妄想恋愛小説「小川に恋。」 最終話

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「なんで…なんでお前はJストリームの思いを…!」

話を細かく聞くとJストリームはアクロボールに気を使って告白を受け入れなかったらしい。

・・・でも、どうして?気を使うなら僕に話してくれても良かったのに。

「アクロボールにはもうインクが少ないの。インクが切れたら・・・」

その先は、もう聞かなくてもわかった。

この日はアクロボールと一緒に帰らず、一人で帰路に着いた。

足が重い。一体僕はどうすればいいのか。考えつつ道を歩んだ。

電車の窓から見る景色には、また色が消えていた。ため息が漏れていた。


翌日の放課後、アクロボールに呼び出された。

気まずい沈黙。仮にも付き合っている者同士とは思えないような状態である。

やがて、向こうから口を開く。僕は俯いていた。

「・・・私と、別れよう。」

・・・昨日の話を聞かれていたのだろうか。この話が出ることは想定内ではあった。

「もう、私はあなたに飽きたんだ。別れよう。ね?」

反論しようと思って顔を上げる。僕だって少しは反論させて欲しいものだったが

彼女は、泣いていた。

感情が涙に出るタイプだ、と言っていたことを思い出す。

・・・僕は心からの感謝の言葉をかけた。僕はひとりの女性を傷つけたのだ。

「フられてありがとう、って変わってるね・・・」

Jストリームが待ってるよ。行ってあげなよ。」

深く頭を下げてもう一度ありがとう、と言ったあと駅まで走った。

今日ほど電車の進むのが遅く感じたことは今までになかった。

家に着くと文房具の入っている引き出しを開けてJストリームをとりだす。

驚きと動揺を隠せない顔で僕を見つめている。すぐに口は開いた。

「・・・ッ!なんで!アクロボールと付き合ってたんじゃないの・・・!」

付き合っていた、という言葉の重さに危うく口を閉じそうになる。

振られたよ。そう伝えると目を見開いてくる。さらに畳み掛ける。


「僕は、ほかの誰でもないJストリームが好きだ。」


Jストリームは、今までで一番の笑顔で承諾してくれた。





「あとがき」


最初と最後の僕の発言以外は僕の言葉に鍵カッコがないのは仕様です。

ジェットストリーム、最高。