※この記事はあらすじに書かれている以上のネタバレが含まれておりません
こんにちは、HaLuKaです。
僕は小中学生の頃は寝る間も惜しんで本を読むほどの読書好きだったのですが、社会人になり時間がなくなったためか最近はめっきり本を読めていません。
いや、ここで嘘をついても仕方がありませんね。日頃からだらけた生活をしているのでそこを切り詰めれば、時間はいくらでもひねり出せます。
問題は活字に長いこと触れていないため読書体力が落ちていたことなのです。本を読むにはそれ相応の体力が必要なことを最近実感したのです。今の状態で仕事終わりに読書をすることなど、入院明けの人間がいきなりマラソンをするようなもの。
しかしこの日は違いました。仕事中に急に活字が読みたくて仕方がなくなったのです。
ふと思ったのですが、社会人になってからの僕はアイマスの同人誌とアイマスのライブパンフレット、そしてカメラ雑誌くらいしか読んでいません。読書体力はほぼ残っていませんが、短編集なら間違いなく読める。そう確信した僕は仕事終わりに本屋へと向かいました。
よく行っていた本屋に久しぶりに行ったところ潰れていたのでイオンで本を買いました。千葉あるあるですね。イオンは何もかもなぎ倒してしまいます。
さて、買う本ですが久しぶりに読む本で冒険して失敗でもしたら目も当てられません。好きな作家さんの、好きなジャンルの本にしました。
米澤穂信先生の「儚い羊たちの祝宴」です。2008年の本ですね。
僕は短編ミステリの総集編が好きです。数十ページで話が始まって終わるのが快感ですし、冒頭の物語の説明があんまり好きじゃないからです。物語というものがそれありきなのは重々承知の上で、アニメの一話や映画の冒頭の10分くらいもあんまり好きじゃないことが多いです。
この本は短編ミステリが5話入っています。すべての話が全部バラバラというわけではなく、めちゃくちゃに地位の高い人ばかりが集まる読書会「バベルの会」が関わってきます。これは裏表紙のあらすじにも書かれていますね。
それだけを踏まえて、読了した感想ですが、すごいです。いや、なんか、うまく言葉が出てこないのですが、すごいのです。
一編50、60ページの短編小説なのでテンポが非常に良く、ガンガン読んでいくことができます。しかもその短い文章中に大量の伏線を仕込んであるのです。
あれ伏線かな、などと思いながらずんずん読んでいくと、テンポが良く読みやすいためあっという間にあと数ページになってしまいます。その残り数ページで、
めくるめく怒涛の伏線回収にノックアウトされます。
この伏線回収と謎解きが本当に爽快で、うまく表現できない自分の語彙力の無さを恨むほどすっきり納得をすることができるのです。
端的に言いますね。ヤバいです。
久しぶりにミステリ小説が読みたい、でも長いのはまだ読みきれるかどうかわかんないし、読みやすくて面白くてスッキリできるのがいいな、という小説欲望ポーカーならストレートフラッシュのあなたに最高にぴったりの一冊です。
ぜひどうぞ。この記事は面白い本を読んで上がったテンションのみで書きました。ではまた。
- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/06/26
- メディア: 文庫
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