今週のお題「ゾクッとする話」
一年生ってのはどんなときでも一番ワクワクとドキドキ、そして例えようもない不安感に包まれているものですよね。今までと全く違う環境ってのはいい刺激ですが不安感があるものです。特に小学校1年生での参観日ってのはかなり緊張するものです。慣れない環境に置かれて3ヶ月も経たないうちに自分らが勉強をしているところを親が見に来るのです。小学校の参観日って5時間目くらいが多いですよね。僕はそうでした。
話が変わって、当時の僕はとにかく本が好きだったんですよ。それはもう休み時間のたびに図書室に駆けつけるくらいに。推理小説、ファンタジー小説、コメディ小説、当然普通の児童書も読んでいました。中でも僕が一番好きだったのがかいけつゾロリシリーズ。特に好きだったのはきょうふのカーレース。ゾロリが知恵を振り絞ってブルルの車に勝っていく様がワクワクしてとても面白くオチを知っているのに何度も何度も読み直していました。
子供って怖いもので興味のあるものにしか全く関心がいかないんですよ。関心が行かないというよりいま興味があるもの以外の存在を忘れるんですよ。たとえそれが自分の尿意だとしても案外気がつかないものでしてかいけつゾロリのきょうふのカーレースを読み終わる頃には全部出ていました。
子供心にこれはかなりヤバイと確信した僕はそのまま図書室の椅子の上で時間が許す限り座っていました。参観日は5時間目、それまでになんとかして乾かそうとしていたんですね。図書室の椅子は薄くクッション材が貼り付けているアレで、尿をすべて吸い取っていてくれたのであとは僕が座って体温でなんとか乾かすほかありません。
20分ほどたったころでしょうか、図書室の先生が「そろそろ休み時間終わるから教室に戻ってねー」とか言いだしたのです。みんながぞろぞろ教室に戻っていく中僕は立つか立たまいかの葛藤に悩まれていました。しかしここで立っておかないと立つタイミングを逃す。そう確信した僕は立ち上がりました。なんとそこで奇跡が起こり、なぜなのか今考えても全くわかりませんがズボンも椅子も8割くらい乾いていたのです。
心の中でガッツポーズを決めた僕はかいけつゾロリのきょうふのカーレースを本棚に戻し、教室に走ったのです。当時の僕は自分から発言をしないタイプの人間だったので先生も僕が全く話さないことに何も不安を抱いていなかったように思います。先生がたまにちらちら若干にやつきながらこちらを見ていた理由は全くわかりませんがとにかく誰にもバレなくてよかったですね。
これが僕のゾクっとする話です。ちなみに、高校1年生の時は寝小便をしました。着々と退化しているようです。
かいけつゾロリのきょうふのカーレース (21) (かいけつゾロリシリーズ ポプラ社の新・小さな童話)
- 作者: 原ゆたか
- 出版社/メーカー: ポプラ社
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