零日目へ
前回のあらすじ
一番左上が来れないから下段真ん中を急遽呼んだぞ!!!
始まります。
さて、がめやろと涙の別れを終えた僕らは、オタク7人を乗せたミニバンで福島県いわき市へと向かいました。
移動時間は高速道路を使っても3時間。普通なら憂鬱なあまりにも長時間の移動ですが、僕たちは旅行のなかでもこの時間にかなり重きを置いていました。
それというのも、たった7日でぞーさんが作った旅行用のアイマス曲オンリーのCDが作られているからです。
ぞーさんは音楽編集、画像編集、動画編集に非常に長けており、このCDを彼に頼んだ時からみんなとても期待をしていました。
肝心の出来ですが、
「あああああああ」
「神セトリじゃん」
「やっべ」
「泣く」
語彙力が完全に吹き飛んでいるのでわかりづらいとは思いますが、最っ高でした。なんとライブミックスもあり、旅行メンバーの推しのソロ曲もふんだんにぶち込むなどオタクの泣き所をバットで殴られている感じです。
ちなみに、来れなかったがめやろには全く同じCDをあげたのですが、彼の推しの曲が流れたところ
「あっ」
「あいつめちゃくちゃ楽しみにしてたよな」
『楽しみだなあ』
『友達とだけの旅行とか楽しい以外にないもんなあ』
「・・・今頃この曲聴いてんのかな」
「・・・」
めちゃくちゃな追悼ムードになりました。
さて、出発から2時間半が経ち4時になったあたりで、みんなと一緒にコールをしていた運転手のマノスが急にだまり始めました。
「どうしたの」
「クッソ眠い」
「やっべ」
長時間のドライブの疲れと高速道路の変わらない景色、そしてなにより昨日の仮眠が不十分だったことで、元バスケ部の体力オバケな彼にさえ眠気が襲ってきたのです。
何もしていない僕たち総出でサービスエリアを見つけ、僕たちは中郷サービスエリアにたどり着きました。
本当に限界だったのでしょう、駐車措置を行ってほぼすぐ彼は眠りにつきました。
僕たちはサービスエリアの横にあった綺麗な公園に行きました。あとで調べたところ童謡「シャボン玉」や「赤い靴」などを作詞した野口雨情にちなんだ場所らしいです。
左から順に叩いていくだけで「赤い靴」のメロディーを鳴らせるチューブラーベル(のど自慢とかで鳴らしてるあれ)が置いてあったので鳴らしました。
「・・・」
シャボン玉ならわかったのですが赤い靴はあまり馴染みがなく、黙り込んでしまいました。僕たちに一番馴染みのある音楽はアイマスだからです。ヤバいですね。
また、きれいな公園にありがちな綺麗な池とも小川とも言えないアレもありました。
「あ、アメンボがいる。虫だなぁ。」
寝不足でやられたのは運転手だけではなかったようです。
そんなこんなをしているとマノスが起きてきたのでみんなでサービスエリアに入り、今後の行動を話し合いました。
実はこの旅はほぼ無計画。「なんとかなんべ」を合言葉に、旅館の予約と旅行のCD以外は本当に何も決めていません。
「旅館直行しない?」
「終わってる選択」
「そこで終了じゃん」
「あ、アクアマリンふくしまって水族館がある!口コミもいい!」
「最高」
「決定」
「はっや」
と、いうことで各々トイレなどに行き一度ここで一斉に仮眠をとり、アクアマリンふくしまに行くことにしました。
実はこの辺から僕は寝ていたためほとんど記憶がなく、気がついたときには10時くらいで水族館の近くにいました。もう駐車場についたあたりで思い出したようにヒュウガが呟きました。
「あ、着替えないと」
「オタクTシャツで公共の場に出るのは迷惑すぎる」
まったくもってその通りなのでまともな服を着ていないオタク7人は一斉に着替え、ぱっと見は真人間に扮することができました。
「じゃあ水族館、行くか!」
「よし!」
・・・
・・・そういや水族館終わりの予定さえ決まってないけどどうなるのか!?携帯の充電もあんまりないけどどうするのか!?飯は!?
何も考えてないから面白いけど、ちょっとだけ不安がつきまとう。そんな僕たちの旅行は、まだまだ続きます。